「ラプソード」について
今日は強化指定選手が主に活用している、「ラプソード」についてお話ししたいと思います。
ラプソードは、投手が投げる球のあらゆるデータを可視化することができます。
これまではスピードガンでの測定で投げた球の球速しか目安になるものがありませんでした。
しかし、ラプソードは以下の部分をデータとして記録していくことができます。
・回転数
・回転軸
・縦、横の変化量
・リリースポイントの高さ
・投げた球の軌道
数値化することで目標や課題が明確になっていきます。自分の投げる球の質や特徴、調子を崩した時に修正の指標にもなるので、ものすごく便利なツールです。
ここで、強化指定選手の島内投手がラプソードを使って取り組んでいることについてお話しします。
島内投手は力強いストレートを持っていますが、変化球に課題がありました。ボールが抜けたり、叩きつけてワンバウンドになったりと制球力が不足している、ストレート頼りの投球になっていました。
なぜ変化球の精度が低かったのか?という部分をラプソードで解析しました。
ストレートのリリースポイントの1.74mの高さで投げているのに対し、フォークは1.67mでした。
(ストレート投球時)
(3月に計測したフォーク)
フォークは落ちていく変化球であるのに、ストレートより低い位置で投げてしまうとストライクゾーンには入らず、"ボールからボール"の軌道になってしまいます。そうなると打者は手を出してきません。
勝負球としてフォークを投げる場合、ボール球が多くなり、カウントを不利にしてしまいます。
相手打者に打ち損じをさせるためには、ストライクだ!と打者に思わせなければならないので、ボールからボールになる球ではなく、"ストライクからボール"になる球に修正していく必要がありました。
リリースポイントがストレートと同じ高さで、その軌道からボールを変化させることができれば、打者にストレートがきた!と"錯覚"を起こすことができ、打ち取る確率は高くなります。
また、ストレートと同じ軌道に乗せていければ、ストライクを取るカウント球として使えるようになっていくはずです。
リリースポイントの高さやボールの軌道など、ラプソードを使うことで感覚に捉われず“数値化”することができるので課題の改善にものすごく役立ちます。
今までの島内投手であれば、変化球はボール球だと割り切られ、ストレート1本狙いをされていたかもしれません。
しかし、下記データのように5月の段階でリリースポイントの高さをストレートと同じ1.74mから変化球を投げられるようになってきました!ストライク率はぐんと上がっています!
今までとはまた違った姿で1軍のマウンドで活躍してくれると思います!(^^)!
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