August 24, 2005

サウス・バウンド

二日続けて、目覚ましのアラームにも気付かないで、八時近くまで寝てしまった。早起きのぼくは、こんなことは年に一度あるかないかのこと。
朝晩がずいぶんと涼しくなって、気持ちよく寝てしまうのもあるけど、夜遅くまで本を読みふけったせいもある。

久しぶりにわくわくする小説に出会った。
2004年『空中ブランコ』で直木賞を受賞した、奥田英朗の最新長編小説。『サウス・バウンド
少年の目を通して語られる”元過激派の父”が巻き起こす大騒動。空中ブランコの伊良部先生にも負けない、強烈なキャラクターの元過激派の父をはじめ、でてくる登場人物がみなカッコよくて生き生きしているので、読みながら、ふつふつと勇気が沸いてくる。
特に、後半、一家が「西表島」に移り住んでからの展開は、痛快そのもの。
すこし極端ではあるが、なんだか、いじいじと右傾化している現在、キッパリとした「サヨク」が、おもいっきり清々しい。とはいえ、社会主義思想のオルグ小説じゃないからご安心を。

元過激派のお父さんのセリフ
「革命は運動では起きない。個人の心の中で起こすものだ」
「個人単位で考えられる人間だけが、本当の幸福と自由を手にできるんだ」

高校生の頃から頭の片隅でずっとくすぶていた、自分の立脚点への疑問が、この本でいっぺんに晴れた気がする。いや、大袈裟でなく…。

今年の社員旅行は、西表島にいくでー!!

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August 02, 2005

夏の10册

ぼくがいつも読んでいるブログに「La Vie En Rose」というのがある。
トラックバックをたどって見にいくと、おそらく、ぼくよりはるかに若いと思われる女性なのだが、旅、山、本、など、ことごとくぼくの感性を刺激する内容なので、いつも楽しみに読むようになった。
そこに、『夏の10册』とう記事が掲載されたのを読んで、これは面白い。ぼくもまねてみよう。ということで、選んだのが以下の10冊。

ぼくの夏の10册。夏休みに、図書館やカフェ、あるいは木陰で読んだらいいなと思える本。
・「星の牧場」庄野 英二
・「消えた少年たち」オースン・スコット・カード
・「リプレイ」ケン・グリムウッド
・「魔術師(イリュージョニスト)」ジェフリー・ディーヴァー
・「山のパンセ」串田孫一
・「黒い雨」井伏鱒二
・「おわらない夏」小沢征良
・「夏の扉」ロバート・A・ハインライン
・「風の歌を聴け」村上春樹
・「ハワイイ紀行」池澤夏樹

「星の牧場」長い間絶版になっていたが、最近、理論社名作の森として復刊。すべての人に読んでほしい名作。
「消えた少年たち」驚愕のラストに小さく声をあげる。そしてせつなさが込み上げる。
「リプレイ」もう一度人生をやりなおせたら…、そんな非現実的な希望が、こんなに素晴らしい小説に。
「魔術師」最近読んだ海外ミステリーでは、出色。
「山のパンセ」古い本だけど、しみじみといい本。
「黒い雨」やはり八月には外せない。原爆文学の傑作。
「おわらない夏」小澤征爾を父に持つ著者が、ボストン交響楽団の夏の拠点・タングルウッドの家での子ども時代をつづったもの。amazoneのカスタマーレビューでは、ぼろくそに書かれているけど、ぼくは好き。
「夏の扉」実はこれ、今、読み直してます。
「風の歌を聴け」今読むと陳腐かもしれないけど、やはりこれが一番好き。
「ハワイイ紀行」ハワイに関するまじめな紀行文。ハワイの本質に触れる旅。

ああ、好きな本を心地いい風の通る木陰で読む。そんな夏休みがほしいなあ。って、ハワイでやってきました。その時読んだのが「消えた少年たち」なのです。

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June 29, 2005

リプレイ

replayリプレイ
ケン・グリムウッド
新潮文庫

今の意識と経験値を持って、ハイティーンの頃へ戻ったら、可愛いあの娘にふられることはなかったのに。さらに、思い出すたびに、穴があったら入りたいほどの、恥ずかしい言動の数々もなかったろうに。などど、友人達と話すことがある。
そんな夢みたいなくだらない発想を、すばらしい物語りに仕立てたのがこのケン・グリムウッドの『リプレイ』という小説。
1990年の作品なので、いささか古くはあるが、今読んでもかなり面白い。
43歳の中年男が突然心臓発作で死んでしまう。そして、18歳に戻って生き返る。しかも、意識や経験、知識は43歳のままという、いささか荒唐無稽な設定である。しかし、この基本設定を作者は豊かな想像力を駆使して、読みはじめたらやめられない小説に仕上げている。
しかも、主人公が18歳に戻ってからの時代背景が、ぼくの青春とオーバーラップしているから、たまらない。ヒッピー、ドラッグ、音楽、映画など、主人公のリプレイする人生が、そのままぼくの人生といってもいいくらいオーバーラップする。これは涙でしょう。
ストーリーの面白さはもちろん、これは上質な恋愛小説としても楽しめる。ひさしぶりの徹夜本です。

可愛いあの娘にふられても、恥ずかしいことを沢山していても、それは、もう消せない過去なのだし、リプレイはできないのだし…
さて、これからどうするかを考えなくてはね。

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May 10, 2005

いつも旅のなか

ひとり旅をするには、旅なれた人の紀行文を読むといろいろ勉強になるのではないか、と、おなじみジュンクドウで、本を漁る。
目に付いたのが昨年の直木賞受賞作家、角田光代の『いつも旅のなか』
実は、彼女の小説は受賞作の『対岸の彼女』をはじめ、まだ一冊も読んだことがない。
では、なぜこの本が目に付いたのかというと、昨年だったと思うけど、NHKBSで「トレッキング・エッセー紀行」という番組があって、作家がいろんな国のトレッキング・ルートを歩くというシリーズだった。
その中で、角田光代さんがイタリア・ドロミテをトレッキングしたのを観てて、なんだか力の抜けたおもしろい女性だなあ、と、すこし気に入っていたわけ。
というわけで、この本を買ってみたら、面白くて半日で全部読んでしまった。
もちろん、ひとり旅の意を強くしたのは言うまでもない。
やわらかい文体で綴られる数々の旅のエッセーは、温かくて愉快で、とてもほのぼのとしている。テレビで観た彼女の力の抜けた雰囲気がそのまま文章になっていて、読んでてとても心地いい。
バックパッカーのような一途さではなく、ツアー旅行のような画一性もない。
ぼくの目指す自由な旅はこんなんかなあ〜。

それにしても、どうみてもポヨヨ〜ンとしている角田さん(失礼)が、実にいろんな国へひとりで旅しているのには驚かされる。
実は、ポヨヨ〜ンとした人は、行動力がすごいのかも知れない。

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April 15, 2005

果てしなき日々

果てしなき日々久しぶりにいい小説を読んだ。
マーク・スプラッグ著
「果てしなき日々」
新潮文庫

なにげなく本屋で手にとって、解説を読むと面白そうなので買った本。
しばらく枕元に投げておいたけど、2、3日前に読み始めた。
妻と息子に先立たれ失意の中で生きる年老いた牧場主と、グリズリーに襲われて身体に障害を負い、死を待つだけの年老いた黒人との友情。暴力的な恋人から逃げ出してきた母と娘の反発と愛情。と、暗い感じのする設定だが、物語は、不思議な暖かさの中で進行する。
全編を通して、2人の老人と9歳の少女の交流が、感傷的ではなく、淡々と綴られていくところなど、この物語が終わらないように願うほど、暖かい愛情に満ちあふれている。
休日にゆっくり読むといいかもしれない。

これまで翻訳物は、ミステリーくらいしか読まなかったので、こういったおもしろい小説があるなんて知らなかった。
読書の世界がすこし広がったかな。

この小説は、映画化され、近くアメリカで公開されるらしい。
2人の老人は、ロバート・レッドフォードとモーガン・フリーマン。母親はジェニファー・ロペス。いずれもぴったりのキャスティングだと思うので、日本での公開が待ち遠しい。

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April 06, 2005

ソフィーの世界

最近、面白い本を読んでいない。この一ヶ月で5冊くらい本を買ったけど、どれも途中で投げ出してしまった。
集中して一気に読めるような面白本は、なかなかないね。
で、すこし古い本の紹介。
ずいぶん前(1995年)に出版された本だけど『ソフィーの世界−哲学者からの不思議な手紙』というのがある。
ノルウェイのヨースタイン・ゴルデル著、「一番やさしい哲学の本」として世界的なロングセラーになり、映画化もされている。
ごく普通の14歳の少女ソフィーが、「私はいったい何物?」といった哲学的な問いに向きあいながら、さまざまな事や考え方を学んで行くという、いわば哲学ファンタジーといった作品。
ぼくは、高校生のころにろくに学校も行かず、図書館でカント、ヘーゲル、ニーチェなどの哲学書を読みあさっていた時期がある。
それは、周りにいる大学生の人たちの話題について行こうと、単なる背伸びをしていたわけなんだけど、正直なところ、本の内容は、まったく理解できてなかった。
なんの素養もないお調子者の「ばか高校生」に理解できるはずもないけどね。
それが、このソフィーの世界を読んだ時、かつて、まったく理解できなかった哲学者の概念や思想が
「あ、そういうことだったのか」
と、まるでマジックの種明かしを見た時のように理解できたのを覚えている。
主人公のソフィーと一緒に、いままで難しく思えた哲学者の概念を、やさしく、面白く、そして生き生きと読み解いていくこの本は、たちまちぼくを虜にしてしまった。
この本を読めと、紹介してくれたのは、ぼくが高校生のころ哲学を語っていた大学生。いまや、立派(?)な内科のお医者さん。
「実は、わしもあのころ理解してなかったんよ。この本読んで、はじめて分かったような気がする」
だって。

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April 04, 2005

雷そしてペーパーバック

昨日の日曜日は、ゴルフの月例競技会。
ゴルフとは遠ざかったとはいえ、クラブの競技会だけは参加するようにしている。
寒かった冬も終わり、やっとのびのびとゴルフができると思っていたのに、朝から曇り空で、なんだか怪しい雲行き。
でも、途中、ところどころ雨や雷はあったけど、特に問題も無く(スコア以外ね)17番ホールまで漕ぎ着けた。
しかーーし、あと1ホール残したところで、ものすごい稲妻と雷の音。
ここで、落雷したら間違い無くオダブツ。ゴルフを中断して、スタコラとクラブハウスへ。
ああー恐かった。ゴルフを始めてからこんな恐い思いしたことがないよ。

家に帰って、日曜日の定番「ジュンクドウ」へ出かけようとしてたら、ゴルフ場のにいちゃんから電話。
「いやー、あれからものすごい落雷があって、クラブハウスも停電したんですよ」だって。
ほんとに、変な気候が続くよね。

で、ジュンクドウでぶらぶら本を物色していると、素敵な装丁の本が目についた。
手にとってみると、村上春樹著『象の消滅 短編選集1980-1991』とう新刊書。
村上春樹の海外で編集・発売された初期短篇集のいわば逆輸入版らしい。
P1000098この本、なにがぼくを捉えたかというと、装丁がアメリカンペーパーバックと同じになっている。
以前から、日本のただ単価を上げるだけの過剰な装丁がなんとかならないかと思っていたので、このペーパーバックという装丁が目を惹いたというわけ。
本の大きさ、読みやすさ、持ちやすさなど、合理的にできていて、なんで日本の出版社は、これを積極的に取り入れないのだろうと思う。本も安くなるはずだけど。
文庫本でさえも、いまやカバーがついて過剰装丁になってるけど、日本の読書子は、こんな装丁が好きなのかね?

というわけで、村上春樹の短編は、まだ読んだことがないこともあり、この本を購入。

そして、ジュンクドウからの帰り道、また、冷たい雨が降り出した。
仕方ないので、駅前のコンビニでビニール傘を買って帰ったよ。

夜、買った本を読もうと早めにベットに入ったが、2、3ページめくったら、もうだめでした。
オヤスミナサイ。
なので、読書感想は、また後日。

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March 04, 2005

夕凪の街桜の国

P1000063いま、話題になっているマンガ、こうの史代『夕凪の街桜の国』。
お昼に覗いた本屋で目に付いたので購入。
原爆を題材にした、悲しく切ない内容ではあるけど、何度も読み返したくなる素晴らしい本。
良質な短編小説のようなマンガとでも表現したらいいいのかなあ。
なんだか日本がおかしな方向に向いている時に、こういう良心的な本が発行され、評価されるのって、すこしホッとする。
作者のこうの史代さんの絵も、すこし古臭い感じがするけど、ぼくは好きだなあ。

作品の中心となる舞台は昭和30年の広島。ぼくがまだ2歳で、父と母がまだ若かったころ。まだ原爆のダメージが人や街に強く残っていたころ。雨漏りのするおんぼろ家で、2歳のぼくを育てながら、父や母はどんな生活をしていたのだろう。2歳のぼくを傍らにおいて、毎日どんな話をしていたのだろう。日曜日は親子3人で仲良くどこかへ出かけていたのかなあ。などと、ちょっと作品とは違った感傷に浸ってしまった。

ちなみにこの作品、平成16年度文化庁メディア芸術祭。マンガ部門大賞を受賞している。

それにしても今回のニッポン放送社員の声明。とんだ茶番だよね。
リスナーへの愛情が感じられないって、問題をつまらないセンチメンタリズムに矮小化して、結局、自分達が見てるのはリスナーではなく、権力者のほうでしょ。日和見のごますり集団にしか見えない。こんなに権力に媚びた社員たちでは、いいもの作れるとは思えないよ。
臆面も無くああいった声明を出す神経が情けない。しかも、全会一致というのが無気味でいやらしい。
だいたい、メディアの公共性とかいうけど、フジ・サンケイグループは、自民党保守派と大のなかよしで、明らかに右傾化してるよね。つまらないバラエティを垂れ流したり、もろ右傾化した論評が公共性があるとはいえないのさ。

別にフジ・サンケイグループはどうなってもいいけど、フジテレビ『目覚まし土曜日』の天気予報は続けてね。

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February 23, 2005

ipod

きょうは、春を感じさせるお天気。
まだまだ寒いけど、日は高くなってるし、空気感が冬とは違っている。
昨晩、すこし暖かなので、ipodをお供に近所をジョギングに出た。
ちょっとおっくうではあったけど、歩きながら音楽を聴くつもりで出発。
走ってみると、結構快調。気持ちく走れるではありませんか。
ipodがあると、多少おっくうでも、外に出ようという気になるからいい。
P1000047
ipodで音楽を聴きながらジョギング。
ipodで音楽を聴きながら散歩。
ipodで音楽を聴きながら歩いてで通勤。
ipodで音楽を聴きながら鈍行列車でプチ旅行。

どれも、それぞれの行為がもっと楽しくなる。
ただ、山歩きには持っていかない。
風の音や鳥の声に耳をすまし、自然の中に身を委ねるためには、音楽は必要無いから。
なんて、言うじゃな〜い。
ほんとは、気配を感じることなく、突然、背後から人に追い抜かれたりしたら、たまげてしまうから。
自然の中では、目や耳や感を研ぎすませておかないと、突然の状況の変化に正しく対応できないしね。
ぼくにとって、音楽を聴くという行為が、ある意味、自然ではないところで、自然を感じるためということなのだから、わざわざ自然の中に音楽を持ち込まなっくてもいいわけなのさ。

夜のピクニック読了。
朝日新聞の書評欄で絶賛されていたので読んでみた。
夜を徹して八十キロを歩き通す、高校生活最後の一大イベント「歩行祭」。
それにさまざまなエピソードを折り込みながら進行する青春小説。
ぼくの青春時代とはまったく違った、進学校の正しい青春がそこにある。
自分では、まったく体験したこともないし、感じたことも無い高校生活。それでも、奇妙に懐かしく感じてしまう。
もう一度高校生になれるなら、この小説のような高校生になりたい。



夜のピクニック

恩田 陸 著

ぼくは、むしろ村上 龍の『69(シックスティ・ナイン)』や、井筒和幸監督の映画『パッチギ!』(まだ観てないけど)の青春がリアル。
高校生の時に読んで感銘を受けた、J.D.サリンジャーの名作『ライ麦畑でつかまえて』の主人公、「反抗的な若者」の代名詞となってきた、ホールデン少年がヒーローだったもの。
と、自分の体験とは関係なく、作品として面白く、わくわくさせてくれる。
書評に「新作にして、すでに名作」とあるけど、そこまではどうかな?でも、オススメ本。

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February 15, 2005

みたらし団子

友人にフラワーアレンジを教えている元気な女性がいる。
先日、会社に遊びに来てくれて、そのときの手みやげがお団子。
これがうまい!!特にみたらし団子は絶品。
スタッフたちもこんなおいしい団子初めてと、大喜び。その女性は一気にわが社の人気者になりました。
みんな「また来てくれないかなあ」と、お団子に会いたいようで・・・
でも、お花を扱っている人がお団子もって来るって、洒落としても気がきいているよね。

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お団子は、中区堺町にある「もみじ庵」。超オススメ!!

おいしい店とのつきあい方 サカキシンイチロウ 角川書店

あの「ほぼ日刊イトイ新聞」に連載されているコラム『おいしい店とのつきあい方』。
ネットでも毎回楽しみにしていたので、本になったと知って、さっそく購入。
もちろん食べることは楽しい。でも、この本を読むと、外で食事をするということがますます楽しくなってしまいそう。
これまでの飽食を反省し、日頃、つつましやかな食事をしている(?)ぼくにとっては、悪魔の囁きにも似た罪な本。
読んだら、すぐにレストランを予約したくなるよ。
たまに、多少無理してもいいレストランで食事すると、心が豊かになるよね。財布は貧しくなるけど・・・
ホノルルのホテルレストランで朝食を予約するという話は、ちょっと感動的。

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