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2020年12月

2020年12月 7日 (月)

徒然エッセイ第43回 「コロナ」に翻弄された悪夢の2020年

 令和二年、二〇二〇年の年の瀬である。「コロナ」に翻弄された悪夢のような年だった。多くの人にとって振り返りたくもないのではないか。一年前、こんな年になろうとは誰が予想できただろうか。

 日本の新聞、放送、通信社等の記者が加盟する「日本記者クラブ」という組織がある。内外のリーダーや各分野の専門家の記者会見を企画し、国政選挙の時は各党党首の討論会も開催している。このクラブが会員を対象に毎年「年間予想アンケート」を行っている。政治、経済、スポーツ等、年間予想問題が十問出題され、一年先の「読み」を競うのだ。年初に出題されて一週間後が締め切りなので、難度は高く、近年、全問正解者は出ていない。

 まず、昨年、二〇一九年の問題と正解、正解率を紹介しよう。

 ① 年末時点の首相=安倍晋三氏(八二%) ② 衆参同時選挙が実施?=されない(五九%) ③ 新元号の漢字一文字=令(正解者ゼロ)、和(七%) ④ 日経平均株価が一万八千円を割る?=ない(三四%) ⑤ 消費税引き上げが十月に=行われる(八二%) ⑥ 日朝首脳会談が開催=ない(七五%) ⑦ 米下院がトランプ大統領の弾劾訴追=する(四四%) ⑧ 将棋の藤井聡太七段が八大タイトルのいずれか獲得=しない(三一%) ⑨ ラグビーワールドカップで日本代表が決勝トーナメントに進出=する(三三%)⑩陸上男子一〇〇mで日本記録(九秒九八)が更新=される(四一%)。

 

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 新元号「令和」の発表は四月一日だったが、一月中旬アンケートへの回答締め切りの時点で応募した記者三百数十人のうち、「令」を予測できた正解者は一人もいなかった。「和」もわずかに七%。「令和」がいかに予想不能だったかがわかる。一方で、ラグビーWCの日本代表の決勝トーナメント進出を予想したのも三三%と低かった。多くの記者は「決勝トーナメントまでは無理だろう」と見ていたわけで、それだけに予想を上回る活躍に日本中が沸いた年だったとも言える。今では懐かしい明るいニュースだ。

         *   *

 さて、今年二〇年は次の十問が設問だった。

① 十二月三十一日の我国の首相は誰か?

② 年内に衆院が解散されるか、されないか?

③ 年内に日経平均株価の終値が二万七千円以上になる日があるか?

④ 米大統領選でトランプ氏が再選されるか?

⑤ 年内に日朝首脳が会うか?

⑥ 将棋の羽生善治九段が通算百個目のタイトルを獲得するか?

⑦ 年内に「はやぶさ2」が持ち帰るカプセルが地球に届くか?

⑧ 東京五輪で日本選手団の金メダルと獲得メダル総数が過去最高記録を更新するか?(参考=金メダルの最高は一九六四年の東京と二〇〇四年のアテネの十六個、獲得メダル総数は一六年リオの四十一個)

⑨ 東京五輪開会式のテレビの瞬間最高視聴率は七〇%を超えるか?(参考=ラグビーWC二〇一九日本大会の瞬間最高視聴率は五三・七%)

⑩ 日本人ゴルファー(男女問わず)が海外メジャータイトルを獲得するか?

 出題された年始の出題時点で、一月末から世界を震撼させる「コロナ」のパンデミックを予見することは誰にとっても不可能だった。従って「コロナ」の影響で東京オリンピック・パラリンピックが「延期」されることなど想定できるはずもなかった。問⑧⑨はオリンピック開催を当然の前提としているが、前提が“蒸発”してしまった以上、今となっては回答不能な設問である。また、安倍晋三首相が八月末に病気を理由に突然辞任したために問①の大晦日時点での日本の首相(菅義偉)もかなり正解率が低いと想定される。

 今年も残りわずか。最後に明るいニュースが飛び込んできてほしいが、期待薄だろう。結局は「コロナ」が足かせになり、不安感にさいなまれ続け、重苦しい一年で終わるのか・・・。せめて新しい年は、コロナから完全脱却できずに「ウィズコロナ」の中にあったとしてもワクチンが広く行き渡り、東京オリンピックが無事開催され、金メダル数もメダル総数でも最高記録を更新してほしいものだ。

 

イラスト : 櫻井砂冬美

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